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2012/09/04

ちょいと青蓮寺ダムへ行ってきた。

  • 淀川水系/青蓮寺川/三重県
  • 形式:アーチダム(中央越流型非対称放物線不等厚アーチダム)
  • 堤高:82m
  • 堤頂長:275m
  • ダム湖名:青蓮寺湖
  • 用途:洪水調節/不特定・河川維持用水/かんがい用水/上水道用水/発電
  • 着工:1964年/竣工:1970年
こちらのダムも見学会で行ってきましたよ!
普通はなかなか行けないあの場所から見ちゃいました。

青蓮寺ダムと言えば、僕はこのアングルが一番好き。
ダムが水を堰き止め、水圧を左右の岩盤へ逃す・・・視覚的に一番分かりやすいこのアングル。

展望台より
展望台より



天端
天端には道路が通ってますよ。

この道路は歩道も車道も凄く狭い。

歩道は人1人しか歩けないし、車道は車一台分くらいしか幅がありません。

さすがアーチダム!

この薄っぺらいコンクリートで大量の水を支えているんだなー。





インクライン
直下への階段

青蓮寺ダムにはインクラインのドルフィン号が設置されてます。なんで「ドルフィン号」という名前なのかは、職員さんに聞いても知らないと言われてしまいました!w

階段もありますので僕はあえて階段で下ります。




僕は高いところが苦手なのですが、あえて階段で降りたのはこの写真を撮るため

見てコレ。

さすが、中央越流型非対称放物線不等厚アーチダム。
あちこち曲がりすぎてて水平垂直がさっぱり分からない。でも、素晴らしいでしょ。このアーチダムの曲がり具合ったら。

わけの分からない曲線に見えて、全て計算された曲線であるわけで・・・。

美しい。実に美しい。

→は、下から見上げたインクライン。
これはこれで乗りたいから、帰りに乗ろう。そうしよう。



さぁ、下まで下りてきました。
下りてくる間、割と怖かったです。いや、かなり怖かったですよ。

うわー、目の前に青蓮寺ダムの減勢池が!
こんな目の前で見られるなんて。来て良かったな。
















減勢池です。今は水が無いので、減勢池っぽくありませんが。


うん、副ダムがデカい。


ものすごくデカい。


こんな大きな副ダムは初めて見たかも。

あ、嘘。川迫ダムで見た。

やっぱりアーチダムの副ダムは大きいですね。

アーチダムは上から水を自由落下で落として、空中で分散させて水の落下の衝撃を落としますが、それを水のクッションで受け止めるために、大きな副ダムがあります。





 ちょっと離れて利水放流設備の建屋へ。なんか写ってるけど気にしない。

←は主バルブと副バルブの間にある注水設備。

ゲートには点検等のために主と副の2つのゲートが付けられています。放流時にはゲート間に注水してからでないとゲートを開けられません。
というのも、中に空気があると水圧で空気が収縮&爆発して、放流管を吹き飛ばすのだそうです。空気って凄いな。



他にも盤とか色々。

いつかボタンを押してみたい。









さて、利水放流設備の建屋を出て、さらに下流へ。

もうすぐ直下正面から見えるかな!?







下流には三重県企業局の発電所建屋が。
青蓮寺ダムから→右のオレンジ色の水圧鉄管で導水されて発電を行なっています。

この発電所はそのうち中部電力へ買われてしまうのかな。


青蓮寺ダム直下正面
そして直下正面へ。
あぁ、凄い。何が凄いって、副ダムの大きさが。

高さは82mとそこそこかもしれないけど、やっぱり大きい。

僕はここから青蓮寺ダムを見たかったんだ。


そしてまた、キャットウォークに戻って常用洪水吐のゲートの解説を。

ここの水密構造は、10cm程度の幅のゴムで水を留めているそうな。たった10cmであれだけの湖の水を留められるなんて。

いやほんと、ダムって凄いな。

写真は解説を受けている中学生~大学生の女生徒。

うん、きっとこんなに若い女の子が多いのは、青蓮寺ダムでは初めてと言ってイイ程の事じゃないだろうか。

室生ダムでも思ったけど、改めて今回の見学会はちょっと異様だなー。もう二度とこんなことはないかもしれないよなー。






解説を聞いてから、ふと見上げたトコロ。オーバーハングしているダムの堤体。
当然、自分の真上にはコンクリートの壁が来ているわけです。

うん、実感した。凄く実感したよ。こういうのは、現地じゃないと体感出来ないよね。


これは、「プラムライン」という設備。

ダムは、季節ごとの気温やダム湖の水位変動からくる水圧変動によって「たわむ」のですが、そのたわみの量を計測する設備の事。

個人的には「ダムのパワースポット」なんて呼んでます。

ダムが壊れたりしないように日々計測を続ける大切な計器の一つ。これがまたなかなか拝むことが出来ないんですよね。

青蓮寺ダムは薄いコンクリートのアーチダムなので、ほとんどダム内部の通路(監査廊)がありませんので、プラムラインもダムの外部に設置してありました。






気づくと日差しが良い感じで当たってました。
アーチの曲線が良く出てる。いい時間に見学に来れたなー。

最後に、ダム管理所の屋上から俯瞰で青蓮寺ダムを眺める。
















右岸からもこのアングルで見られるなんて!あーほんと良い見学会だったな。最高だ。








最後にこちらの看板(?)を。

木津川ダム総合管理所に置いてありますが、地元の方から寄付されたものだそうで。

凄くしっかりとしたものでした。比奈知ダム・青蓮寺ダム・室生ダムは、名張市を守る大切なダム。地元の方にも大切にされているんでしょうね。