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2014年6月19日木曜日

ちょいと湯田ダムの試験放流へ行ってきた。

2014年6月9日の出来事でした。

突如、東北地方整備局北上川ダム統合管理事務所から発表されました。

[湯田ダム]クレストゲートからの試験放流を実施

それはもう大変な事ですよ。
湯田ダムと言えば、ダム愛好家から格好良いダムとしてかなりの人気を誇るあの「湯田ダム」です。

Twitter上では多くのダム愛好家がざわめきだしました。





僕も湯田ダムは大好きなんですよ。それはもう絶対に見たい!
と思ったので即日有給申請しちゃいました

しかし。


当日の予想天気図がこちら。

岩手県に低気圧の中心が…

なんだか凄くダメそうな予感。






来る6月12日。延期が発表。
「金曜日なら行けたのに!」という阿鼻叫喚の声がちらほら。
僕はもちろん即時有給変更再申請を行い行ける段取りを整えました。



ちなみに今回試験放流を行った理由は、2013年は全国各地で豪雨が多発、湯田ダムのお隣の御所ダムでも計画を上回る豪雨が発生。湯田ダムでもいつ非常用洪水吐を使う事になるか分からないが、50年もの間開けた事が無いので周囲の状況やゲートの挙動などがどうなるのか分からない。その為、一度試験をして確認してみようという事になった訳です。

特に地元から要望があったとか、そういう話は無いそうなので、今後も行われるかは期待薄ですね。






当日10時から放流開始ですが、9時前には到着。すでに人がちらほら。

撮影アングルを確認して、三脚をセットして、撮影の準備。
管理所へ行って放流スケジュールの確認。
10:00よりクレストゲートを10cm(1門あたり放流量は秒間2トン、秒間計12トン)開ける。
10:30よりクレストゲートをさらに10cm(計20cm、秒間計24トン)開ける。
11:00で放流終了。
との事。



一緒にダムカードも貰いました。


天端が途中から立ち入り禁止でした。
ゲート点検の作業の方がたくさんいたので、邪魔にもなるから仕方ないのかな。
でも、スキージャンプ式洪水吐から落下していく水を、上から眺められなかったのは少し残念。


放流5分前から放流開始直前のサイレン吹鳴が始まります。

サイレンでかき消される周囲の話し声。
サイレンの轟音で一切のノイズが消え、静寂さえ感じる。
一斉にダムへ集まる視線。
この瞬間、皆がひとつになる。
試験放流特有のこの雰囲気がたまらなく好き。

そして僕は正面アングルへ走ります。


準備はOK!いつでも来い!!



きたー!!!

って、2門同時だと!?


洪水吐に生えてた木?草?が早速流されていきました。


そしてまた同時に2門!


うーん、とても美しい。2門ずつなら次が最後かな?



きたー!!


感動のクレストゲート全門放流。

まさか、湯田ダムのクレスト放流が見られる日が来るなんて夢にも思っていませんでした。


放流はこんな感じに。ゲートが微妙に上がっているのが分かるでしょうか?


別アングルからも撮ってたりします。


あぁ~カッコイイなぁ~。たまらないなぁ。


再度、左岸のアングルへ移動。
矢木沢ダムの試験放流では歓声があがっていましたが、湯田ダムでは違いました。
皆、息を呑むといった感じ。

それにしてもゲートを10cm開けただけでこんな迫力になるとは。
いい意味で期待を裏切ってくれました。


いやぁ、有給取ったかいがあるなぁ。
今までに見た放流でも1,2位を争うカッコよさ。来て良かった。


10:30になり、ゲートをさらに10cm開けて20cmの開度へ。
少し前の写真と見比べると、水が落ちていく放物線の形が変わっているのが分かります。


放流されて落下する水の位置をよく見ると…

写真を見て左側はすぐ下へ落下していて、
右側は遠くへ落下している様子が分かります。

放流される水が暴れて周囲へ何らかの悪影響を及ぼさないように、洪水吐の形状を微妙に変えて工夫しているものだと思います。

写真左側はすぐ下にゲート室があるからそれを避けているのかもしれませんね。

重力式アーチダムに、繊細な形状の洪水吐。
設計や施工の苦労が伺えます。













ゲートを20cm開けた状態がこちら。コンジットゲートは1門開いたまま。


その後、11:00になり放流量は少なくなっていき、名残惜しいですが放流は終了しました。





この後は管理所に行き、湯田ダムの支所長さまと管理係長さまと少しだけお話をしてきました。
そこで一度聞いてみたかった質問を紹介します。

「放流をご覧になった感想はいかがでしたか?」

A,
支所長さま
「まず1つ残念だったのは、私ここ(管理所内)に居たので、実際現地でゲートが開く瞬間を見られなかった。モニタでは見ていたけど、最初(ゲートが)開く瞬間を見たかったなと。それはどうしても仕事上見れないので。あとは今日やってみて、思ったより迫力がある…というか水の流れの勢いっていうんですかね。今日、皆さんは入れなかったのですけど、私達は点検とかで右岸側とかにも入って見たんですけど、例えば流れていって跳ね上がった水の厚さも1mくらいあるような感じで流れていって、凄く迫力があった。あと、終わってみてホッとしたのは、何事も無く終わったという事。試験と言いながらも50年ぶりですので、何があるか…色々な事は想像していたのですけど何事も無く終わった」

管理係長さま
「試験という形でやったのでみなさんがいる状況で出来たのですが、これが本当の洪水で緊迫した状況で開けることになるのはやっぱり怖いなと思いました。皆さんは綺麗だなとかそういう感想だと思いますけど、実際にゲートのボタンを押す方としては怖いなと思いました」



最後に、スローシャッターで撮った放流を。

今回の試験放流は約100名(うち関係者20名)が来訪されたようです。
平日の昼間にこんなに人が来るなんて正直驚き。
関東は沼田にある薗原ダムでさえ50名程だったのに。さすが湯田ダム。

またやってくれると良いな。この素晴らしい放流をもっとたくさんの人に見てもらいたい。
湯田ダムが定期的にこんな放流をしてくれたら観光地の1つになると思うのですが、西和賀町の地元の方、どうでしょう?




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